愛に溺れろ。
「里香……」
耳元で囁かれる甘い声。
その声に、あたしの神経全てが奪われる。
そっと体を離した敦志は、整った顔を少しだけクシャッと崩した。
「そういえば……ちゃんと言ってなかったな」
「え…?なにを?」
そう問えば、
ほのかに染まる敦志の顔。
そして、あたしの視線を逸らすことなくまっすぐ見つめる。
「里香が好きだ。お前が傍にいないと、狂ってしまいそうなほどに」
フッと細められた瞳。
優しく髪を撫でる大きく温かい手。
初めて直接聞かされた
『好き』という言葉。
嬉しくて、涙がポロポロと零れ落ちる。
「あつ……し……」
止めどなく溢れ出す涙。
それを敦志が指で弾く。
そして、その後訪れた甘い時間―
敦志に身をゆだね、
本能のままに唇を重ねる。
「す……き、…」
そう囁いた瞬間に、
激しくなる熱い口付け。
この時間が、
ずっと続けば良いのに……
そう思ったのは、
敦志も一緒だよね?