愛に溺れろ。
―次の日―
「おっはよーう!」
「きゃっ!あ、麻美~。驚かせないでよね」
朝から元気よく後ろから抱き付いてきたのは親友の麻美。
「ごめん、ごめん」
手を顔の前に持ってきて
軽く謝る麻美。
そしてあたしの前の席に座ると、
鞄から教科書を出し始める。
そんな麻美を後ろから眺めていたら、麻美に借りたままのCDのことを思い出した。
やばい……。
返すの忘れてたよ!
「あ、あさ「うっそー!あっちゃん家に行ったの!?」
え……?
肩を叩こうとした手が思わず引っ込み、一気に思考回路が停止する。
あっちゃん家?
あっちゃんって……
敦志のことだよね?
行ったって何?
誰が?いつ?
あたしは声のした方向に、
自然と目と耳を傾けた。