愛に溺れろ。
「あ、麻美……?」
「あー…うん、ごめん。笑うとこじゃなかったね」
「いや……うん。ん?」
麻美の考えが……分からない。
何とも、思わないの?
「うーん。そうだね、何て言おう……」
顎に手を当て考える麻美。
意味が分からないあたしは、ただただボー然と突っ立っているしかない。
「簡潔に言うね。何となくだけど、分かってたよ」
「……え?」
「里香は気付いて無いんだろうけど……あたしは里香はあっちゃんが好きなんだって思ってたもん」
う……そだ。
自分でも気付いてなかったのに。
「どうして……?」
「視線……がね」
「視線?」
「そう、視線。里香の視線の先にいたのは、いつもあっちゃんだった。あたしは里香の隣にいたから気付いたんだけどね」
知らなかった……
麻美には、
何でも分かっちゃうんだね。
「だから……」