愛に溺れろ。
「さゆり?……あぁ、早河のことか?」
ズキン―
何も、気にしてない?
あたしに知られたって、
どうでも良いことなの?
「なるほどな。そう言うことか」
ため息交じりの敦志の声。
まるで「せんない」
とでも言うような……
そんな敦志の態度に、
あたしの緊張は切れた。
「さゆりが昨日来たって本当?」
「あぁ、本当だ」
「部屋に入れた……って言うのも?」
「それも本当だな」
顔色を一切変えない敦志。
何を考えてるのか……分からない。
どうして平然としていられるの?
分からない……。
敦志が分からないよ…-!