愛に溺れろ。
「ここって…―」
「ああ。俺のマンションだ」
着いた先は
自分のマンション。
里香がヤキモチ焼いた原因の場所。
「この間、早河が来たのがココだ」
「うん……」
途端に元気が無くなる里香。
まぁ……嬉しいんだが。
今日は落ち込む余裕すら、
なくさせてやるよ。
「行くぞ」
「え!あ、待ってっ」
先に歩き出した俺の後を小走りで着いてくる姿に、自然と笑みが零れる。
「お前は本当に可愛いな」
「えっ!?き、急に……」
「ホラ、」
手を差し伸べると、里香は俺の顔と手を交互に見た後、そっと小さな手を重ねる。
その手をぎゅっと握り締め、
自分の部屋へと向かった―