愛に溺れろ。
「何故……分からない…っ」
「あ、敦志……?」
「俺はこんなにも!こんなにもお前を欲しているのに…っ!」
敦志の目が、まっすぐあたしを捕らえる。
その目から、
逃げることは出来ない。
「何故俺の想いを疑う?何故信じれない?」
「………っ」
「本当は今すぐにでもお前を抱きたい。俺の物にしたい」
敦志の顔があたしの首筋に落ちる。
「なのにっ……何故…―!」
敦志の想いが、
体に染み渡ってゆく。
どうして、この人の気持ちを疑ったりしたのだろう。どうして、ちゃんと信じれなかった?
本当は信じようと思った。
でも信じれば信じようとするほど、怖くなった。
敦志があたしから
離れて行くようで……。
疑うことで、自分の気持ちを信じることが出来た。だけどそれは、同時に敦志を傷つけていた。
あたしは……自分を守ることに必死で、敦志のことを考えていなかったんだ。