愛に溺れろ。
「何考えてんだ。今日お前は泊まるんだよ」
「えぇ!?」
「分かったらさっさとアリバイ作れ」
……うそ……
今日泊まる?
敦志の部屋に?
「おい、里香」
「え?あ、う、うん!」
あたしは急いで麻美に電話をし、事情を伝える。
『オッケ!任しといて♪』
「あ、ありがとう、麻美」
『もちろん。その代わり!ちゃんと教えてよね?』
「うんっ」
ピッ―
麻美との電話を切り、
次は親へと電話を掛ける。
麻美の家に泊まることを伝えると、何の疑いもせずに電話は切れた。
初めて……
嘘ついちゃった。
それも、お泊り……。
チラッと敦志を見ると、
ベッドの上で煙草を吸っていた。