愛に溺れろ。
「終わったか?」
「う、うん……」
あたしの返事を確認すると、灰皿へと煙草を押し付けベッドから降りる。
「腹空いただろ?何か食うか」
「あ、あたし作ろうか?」
そう言うと振り返った敦志。
目が大きく見開かれ、
驚いているのが分かる。
「な、何よー…」
「お前……作れんの?」
「もう!あたしだって人並みには作れるもんっ」
頬を膨らして言うと、敦志は笑いながらその頬を両手で包み込む。
「アハハ、そりゃ悪かったな。じゃあ作ってもらうとするか」
「うん!期待して待ってて」
「りょーかい…」
敦志はそのまま一瞬触れるだけのキスを落とし、ソファーへと座った。
よし、頑張ろ!
冷蔵庫の中身を確認し、
キッチンへと立つ。
ふと敦志へ視線をやると、テレビを見ながら煙草を吸っていた。
やっぱり敦志はカッコイイ……
何て思いながら、
あたしは料理を開始した。