愛に溺れろ。

「ごちそーさん」


食べ終わった敦志は、
あたしの頭を軽く撫でる。



「美味かったよ。惚れ直した」



「……っ」


あたしの反応を見てクスッと笑った敦志は、真っ赤になったあたしの頬に軽いキスを落とした。



ちゅっと音を立てて離れた
唇は、妖艶に弧を描いていた。



「じゃあ、風呂入れてくるから。待っとけ」



そう言って立ち上がった敦志は、
そのままバスルームへ向かった。




バタン―

と扉が閉まった瞬間、キスされた頬にバッと手をあてる。




まだ……熱い。

敦志は、どれだけあたしを溺らせれば気が済むの?


もう無理。
もう、抜け出せない。



『敦志をもっと感じたい』
『敦志のすべてが欲しい』



そんなこと……今までのあたしなら思わなかった。


こんなあたしの気持ち……
敦志が知ったらどう思うかな?




「おい、里香?」


「ほぇ!?」


そんなことを考えていると、
目の前に敦志の顔があった。


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