GUN
勇者と英雄
そのようなやり取りをしながら、買い物をすること30分。
街の外れで、ララと合流。
彼らはアイスラに向かって旅立った。
「一応、予定では一週間で次の街にいけるけど、何が起こるかわからないしね・・・予備はあって困ることはないわ。」
そういうララの荷物は、グストたちの倍以上あった。
グストは、リンとあわせての二人分の荷物しか持ってないのに、なんで一人分のお前の方が、倍以上の荷物を持っているのか・・・。
女というのはよくわからない・・・。
しかし、結果として、このララの選択が功を成す。
街を出てから数時間。
もう、だいぶライスト国も遠くに見えるな・・・と後ろを振り返ったところで、リンが何かを発見したのだ。
「あ、ギルだ。お~い。」
遠くに見える人影・・・逃げ惑う少年。
その姿は、確かに、先日劇場の焼け跡でリンとケンカをしたギル君、そのものだった・・・。
・・・・・・はやり来たか・・・。
そうなる運命だったのか・・・。
グストは、何かを覚悟する。
もし、自分たちが英雄だとして、彼が勇者だとするなら、最初からこれは約束されたことだったのだ。