GUN
「ってことは、ギルも私たちの仲間だな。」
リンさん、嬉しそうに言いますね。
こちらとしては身が重いですが・・・。
「問題は、ラグストールさんにどうやって伝えるかよね?下手に街には戻れないし・・・」
ララが遠くだが、まだ見えるライスト国を見ながらつぶやく。
「とりあえず、次の村で手紙を書くしかないだろう。」
というコトで、彼らの北に向けての旅が始まった。
道中、ギル君がどうして、劇場と孤児院を燃やしてしまったのかを聞いた。
しかし、自分でもよくわからないそうだ。
ここは、燃やさなくてはいけない気がしたから、燃やした。
・・・・・・・それが偶然、闇組織の基地。
勇者か・・・。
信じたくないが、なにかしらの運命を背負ってしまったことは確かなのだろう。
ラグストールとは合流できそうにないし、俺たちが守ってやらないとな・・・。
そんなことを考えながら、彼らは歩く。
ギル君も多少生意気だが、それなりにいいヤツだというコトが理解した。
朝は、誰よりも早く起きて、剣もないのに、素振りの練習をしていた。
日課だそうだ。
そんなコトをしても、アイスラではろくな剣は手に入らない。
彼が次に剣を持てるのは、どれぐらい先なのだろうか?
そう考えると、一生懸命努力を続けるギル君か不憫に思えた。