GUN

「はぁ、久々の街ね。」


 ライスト国とアイスラ国の国境を越え、二日程度進むと、アイスラ最南端の街がある。


 あまり大きな街とはいえないが、旅の中継地点としては、十分に使える街だ。


「おい、あそこに見慣れないものがあるぞ!あれなんだ!」


 リンさん大はしゃぎですね・・・。


「あぁ、フーガの旅芸人だな。こんな所にまで来てるとは思わなかった。」


「旅芸人!面白いのか!」


「見てみたいぞ!グスト、ララ!」


 ギルまで・・・。


「そんなお金はアリマセン。」


 貴族のお嬢様がそんなこと言うのは、いささかおかしな気がしたが、実際そこまで持ち合わせはない。


 悪いが、今度の機会してくれ・・・。


「さて、とりあえず、宿を探さないとね・・・。」


 ララがそんなことを言ってきたので。


「あぁ、アテはあるよ。」


 グストが先手を打った。


 さて、あそこに行くのは、一年ぶりだな。


 あの、怠け者は、まだあの宿で暮らしているのだろうか・・・。




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