GUN

「アテ?」


「まぁ、着いて来い。」


 言うと、グストは迷うことなく村の中を歩き出す。


 表通りから一本西に入ったところにある小さな酒場。


 出迎えてくれたのは、少女・・・と呼ぶにはいささか育ちすぎた女性。


「いらっしゃい・・・って、グスト!」


 女性がグストの顔を見て、驚いた表情を浮かべる。


「久しぶりだな、セイラ。」


「ホント、久しぶり、生きていたとは・・・って、後ろの連れは・・・あなた、いつの間に家族を持ったのよ?」


 ララとギルとリン。


 その構成をみたら、誰だって思うわな。


「いや、家族ではなく・・・偶然であったというか、旅仲間というか・・・。」


「グスト、この人は?」


 ララがそんなことを聞いてくるのも無理はない。


「浮気か?」


「不倫だよ。」


 うるさいぞ、ガキども。


「ここの宿の看板娘・・・昔のちょっとした知り合いだ。」


 そんなことを説明して、とりあえず、店内に。


「ふ~ん・・・」


 ララのジト目を気にせず、とりあえずテーブルに腰かける。


 残り三人もお行儀良く腰をかけて・・・。


「今日一晩泊めて欲しい。部屋は空いているか?」


「まあ、それは問題ないわよ。あのうるさいのを、気にしなければね。」


 ・・・やっぱり、あいつはまだ、ここに住んでいたのか?





< 130 / 146 >

この作品をシェア

pagetop