GUN

「相変わらずだな。」


「そうでもないわよ。最近は・・・」


 と、そこまでセイラが口にして。


「セイラ、僕たちのご飯はありますか?そろそろ夕飯時だと思って、降りてきたのですが・・・」


 見るからに美しい男が、階下に下りてくる。


 長身で、一見すると女性にも間違えてしまいそうな、美貌を兼ね備えた男性・・・。


「久しぶりだな。ナーダ」


 グストが声をかけると・・・。


「・・・・・・・気分が悪いです、セイラ今日の夕食はなしにしましょう。」


 ナーダと呼ばれた、男は頭を抱えて、階段を登っていく。


「待ちなさいよ。せっかくの再会なんだから、降りてきなさい。」


「?ナーダ、どうしたんだ?」


 ナーダの影に隠れてよく見えなかったが、ナーダの足元には、小さな少年?少女?どちらかすぐには判断できかねない、子供が見えた。


 なるほど。


「おめでとう、セイラ、ナーダ。」


「勘違いしないでよ!アシュはナーダが拾っていた・・・なんていうか、迷い子よ!」


 セイラから激昂が飛ぶ。


 ・・・迷い子って・・・。


「その言い方は、いささか違うといわせてもらいます。セイラ。迷い子確かにいいえて妙だし、それ以上にこの言葉を適する言葉はないと思います。あえて言うならば、アシュは拾い物・・・そう言い返るほうが、僕としてもシックリきますね。」


「こいつ、うるさい。」


 リンさんは、相変わらず、歯に衣を着せない言い方をしますね・・・。


「拾い物と呼ばれるぐらいなら、迷い子の方がマシだぜ。」


 まぁまぁ・・・。アシュ君も。


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