GUN

「単刀直入に聞こう。魔王は復活したか?」


 仮定の話である。


 ギルが勇者であり、グストたちが英雄だとしよう。


 だとしたら、彼らの旅の終着点には、世界の崩壊を示す危機がある。


 しかし、彼らの旅はアイスラで終わる。


 この地で、敵を討ち、ソレで終わる。


 旅の目的地を変更させるような事件も起こらなかった。


 だとしたら・・・まさに、この地がその世界の危機が待つ土地ではないのだろうか?


「質問の意図がつかめない・・・と言いたい所ですが、一応、答えましょう。その質問に対しては『分からない』と答えるのが明確ですね。」


 さすがはナーダ。今の質問だけで様々な可能性を考慮してくれたうえで、素直に答えるのが、ベストであると選択してくれたか。


 コイツの場合は、一つの質問に対して、二重三重に裏をかかないといけないからめんどくさい。


「さすがに、分からない・・・か。ナーダなら、何か分かってくれると思ったのだがな。」


「グストは、僕を買いかぶりすぎです。アシュほど単純なら別ですが、グストのような人間となると、僕だって全てをつかむことはできません。案の定、今の質問の意図も、予想こそ出来ますが、明確な理由を示唆せよ言われると、言葉に詰まります。」


 言われて、アシュ君が呼んだ?・・・と首を振り向けたので、違う違うと、グストとナーダが揃って手を振った。



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