GUN
「安心しろ、そこまで深い意味はない。」
俺たちが、本当に勇者パーティなのか、行く先に魔王が構えているのか、確かめたかっただけだ。
「だったら尚のことですよ。深い意味がないという言葉に、僕は何十個もの裏が見える。」
「考えすぎは、ドツボにはまるぞ。」
「スパイラル思考の抜け方は熟知しているつもりです。」
あ、そうですか・・・。
「それにしても分からない・・・か・・・。」
「え?なんで分からないの?魔王が復活したら、誰でも分かるでしょ?国中、いや世界中の話題になるでしょ?何言ってるのよ二人とも?」
ララがそんなことを口にして。
「まったくよ。縁起でもないこと言わないで頂戴。」
セイラもそれに乗っかる。
ソレを聞いて、グストとナーダは二人肩を並べて、
「やれやれ」
と、声を上げた。
次の瞬間、その態度に腹を立てたのか、ララとセイラに、思いっきり怒鳴られたけど。
「そこまで怒鳴らないでください。まずお二人には、魔王という存在がどのようなものなのかを、説明しないといけませんね。」
ナーダがにやりと笑う。
まったく・・・とんでもない怠け者のクセに、口だけは達者なのだから。
「魔王という存在?そんなの、世界を滅ぼす悪魔の王でしょ?」
ララの言葉は確かに正しいが、間違いでもある。
「魔王と一口に言ったところで、四人いるだろう?一応、15年前の6英雄の存在により、3人といわれてはいるけど・・・。」
とはいえ、相手はあの魔王。
西の魔王も、本当に滅びたかどうかは怪しいところだ。