GUN

「目的は一緒、しかし、そのやり方が問題なのですよ。」


 と口にしながら、ナーダは手元にあった、豆を上下、左右に置く。


 まず、一番左の豆をはじくと・・・。


「かつて二度にわたり復活した西の魔王、彼はフーガの魔王でした。」


「どういうこと?」


 セイラの質問。


「フーガの象徴は自由、裏の顔は『快楽』」


「つまり、かつて復活した西の魔王は、フーガの色を濃く持っていた、ゆえに快楽主義者の魔王が生まれたのです。」


 人を殺しては笑い、街が燃えては喜び、国が滅んでは喝采をあげた。


 自由を象徴するフーガの土地ゆえに、そこから生まれし魔王は快楽者。


 だからこそ、復活した際に誰もが気付き、その存在に恐怖し、そんな人間を見て、楽しんだ。


「そして、東の魔王がいるのは、ドーラの地。」


 グストが右の豆をはじく。


「ドーラの象徴は技と業。裏の顔は『排他』もしくは『破壊』です。」


 業を磨く裏で、多くのものを排除するドーラ。


 また、あの国の環境汚染問題に目を向ければ、分かるとおり、彼らの作るものは、破壊の象徴でもある。



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