GUN


「その通り、狡猾で思慮深い、北の魔王。万が一復活したところで、簡単に人間に知られるようなヘマはしないでしょうね?」


「特に、アイスラは魔王の部下となるモンスターがほとんど、存在しない。孤立無援のまま人間たちを滅ぼそうとなると、入念かつ慎重に計画を練り、チャンスをうかがうだろうな。」


 だから、北の魔王の復活は誰にも分からない。


 もしかしたら、復活しているのかもしれないし、まだ眠っているのかもしれない。


 その判別は人間では一切出来ることはないのだ。


 なにせ、神話の時代の怪物。


 その知恵は人間をはるかに凌駕する。


「とりあえず、北の魔王が復活していると仮定した場合、僕たちが魔王の存在に気付いた頃には、既に世界は魔王の手中の中か、人間ではどうすることも出来ない、絶望的な状況になったときのみです。」


「だから、北の魔王の復活が分からない・・・か。」


 それでも、ナーダなら何かしら、気がついていると思ったのだがな。


「そういうことです。グストが何を思って、その質問をしたのかは、最後までわかりませんでしたが、僕が言えるのは、ここまでです。」



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