GUN

「セイラさんって、古代文字が読めない人だったのね、アイスラの民にしては珍しい。」


 道中、ララが胸をなでおろしながら、そんな言葉を発する。


「別に、アイスラの民全員が古代文字を読めるわけではないだろう?俺だって実のところ、4割近くしか、この本のことは分からない。」


 正直な感想。


「げ、グストもなの?そっか、あなたも庶民だものね。古代文字の勉強は、その程度か…。」


 ララが大きくため息をつく。


「まぁ、大まか予想は出来るがな。」


「大まかな予想だけで、その本を読まれたら、大変なことになるぐらい分かっているでしょ?」


 ごもっとも。


「なぁ、二人とも、何の話をしてるんだ?」


 リンがたずね


「グストが、ナーダというあのおっかない大人から、エッチな本をもらったという話だよ。」


 ギルが答えた。


 まぁ、子供たちには、この程度の認識で良いだろう。


 下手に話すとこじれてしまう。


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