GUN

「エッチな本?」


「知らないのか、リン?大人ってみんな読むんだぞ。」


「へぇ~」


 とりあえず、こいつらには、後々色んなことを教えないといけないかもな…。


「『400年前の魔法封印の魔術』…いったい、誰が書いた本なのかしらね?」


 ララが、本のタイトルを読み上げ、小声でグストに話す。


 一応、リンたちには聞かれないための配慮だろう。


 古代文字で書かれながらも、この本が書かれたのは、ほんの400年前。


 つまり、この本は「わざと古代文字」で書かれたのだ。


 何者かによって、簡単には読まれないように…。


「そんなもの、4英雄の中で唯一の生き残った英雄しかおるまい。」


 400年前の魔王復活の際に立ち上がりし、4人の英雄たち。


 火の英雄と、水の英雄は、魔王の前に命を落とした。


 風の精霊は、魔王封印のために、人柱となった。


 しかし…唯一、魔王の返り血を浴び、不老不死となった英雄が存在する。


 土の英雄。


 今もどこかで生きていると、噂される400年前もの、伝説人。


 その姿、知る者、この世に存在せず…。


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