GUN
「・・・・・。」
彼の隣に座っているのは、全身髭を生やした、恰幅のいい男。
タンクトップに、作業用ズボン。
よく、コレだけの薄着でこの汚れた環境の中を生きていけるものだと思う。
ドーラが環境汚染に気がつかない要因は、人がそのように進化しているからだろう。
自然とともに暮らすフーガ一族が、彼らを毛嫌いするのも分かる気がする。
「話がある。」
グストは、目を正面に向けたまま、その男に声をかけた。
「・・・・。」
男は、口を開かない。
無口で頑固者が、土の民ドーラ民族の特徴だと聞いていたが、これほどだとはな。
「頼みたいことがあるんだ。」
「・・・・・お前、よそ者だろう?なんのようだ?」
ようやく、男が口を開いた。
鋭い眼光がこちらを向く。
別に臆することはない。
彼らは、それほど争いごとは好まないはずだ。