GUN

「しつこいな、お前も。」


 家に訪れたとき、バカスはヤレヤレとため息をつきながらも、この空気の中、よそ者がいつまでも外にいるのはきつかろうと、中に招待してくれた。


 見たこともない素材でできた家、話には聞いている、コンクリートと呼ばれるものらしいが、この冷たい感じのする壁はなんだろうな。


 家という物は、もっと人の温かみが感じられるものだと思っていたが。


「すまない。」


 言いながら、グストはドーラの家にある木製のテーブルに着く。


 コーヒーで良いか?といわれたので、ご配慮感謝すると、お礼を述べた。


 しかし・・・。


「コレを飲んだら、里に帰ることだな。ここは、お前のような者が来るところではない。」


 はやり、頑固者のドーラの民。


 そう簡単には折れてはくれないか。


「帰る里など・・・俺にはない・・・・。」


 だから、グストも折れない。


 これが、難しい交渉だというのは分かっていた。


 だが、ここ意外に、グストは頼れるところを知らない。


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