GUN
「そう・・・だよね・・・リトも、グリも、サツキも、リリンも・・・みんないなくなっちゃったんだもんね・・・。」
口にしながら、目に涙を溜めてくララ。そんなことに同情などしない。
ちなみに、どうしてグストがララ不在であることに気がつかなかったのかというと、タイミングが悪かった・・・というそれだけの理由である。
ララが家を出て、一週間後にその事件は起きたのだ。
冬支度の忙しい時期の出来事というコトと、あれから起きた、酷い事件により、ララがアイスブランド家を出て行くことなど、すっかり記憶から抜けていたに過ぎない。
「そういうことだ。知らなかったこととはいえ、俺にとって、お前は村の敵だ。」
口にして再度銃口をララに向ける。
「だから・・・まず、私を手始めに殺そうと?」
涙を溜めたまま、顔をうつぶせて、表情を一切隠すララ。
まさか?
「そんな馬鹿なことするか?」
グストの目的はあくまで、アイスブランド当主。
ここで、ララを殺しても、当主にはたどり着けないのはおろか、憲兵に捕まり刑に処せられるのが目に見えている。
当主を殺すまで、下っ端のお前になんて、手を挙げるものか?
「だったら、なんでその武器を私に向けたの?」
拳銃の存在は知らないか・・・それでも、コレが武器だというコトに気がつけただけ立派だな。
「俺は目の前で、お前の家族を殺すと宣言した。当然、それに対してお前が抵抗すると考えた。だからだ。」
とはいえ、彼女の周りには一人とは言え、側近が付いている。
彼も魔法使いなのだろうか?
リンは数に入れるわけには行かないから、2対1.
戦況は圧倒的に不利だった。