GUN


「だから、お前はフーガに行った・・・か?」


 それは、決して医療が進んでいない、フーガの人々を救うという遂行な意思の下ではなく、ただ、単にあの家から逃げ出したいという、逃避行。


「あなたたち村人と一緒にいるのが好きだった。一緒に魚とったり、野菜作ったり、本読んだり、物語作ったり・・・勉強したり・・・そういう生活がとても楽しかった。」


 だけど、彼女の母親と兄は、その村人たちを殺した。


 ララの好きだったグストたちの村人を、壊滅状態にまで陥れた。


「だったら・・・・・・一緒に来るか?」


 何を言ってるのか、自分でもよくわからなかった。


 でも、もし彼女の敵が自分と共通するなら、共に行動するのが道理なのかもしれない。


 それに、アイスブランドの血を引く女が一緒にいたほうが、何かと便利だろう。


「グスト!それは、プロポーズか!?」


 物凄い場違いな言葉を吐いたリンは、とりあえずどついといた。


「痛い・・・」


 しばらう、そうして頭をさすってろ。


「いいの?」


「実の親と兄を殺す覚悟があるなら、連れて行ってやる。だが、裏切るようなら、お前も殺す。それが、条件だ。」


 まったく、ただでさえ厄介者を抱えているというのに、これ以上何をしようというのだろうな。俺は・・・。


「ありがとう。グスト!」


 しかし、ララは手を取り、涙目を浮かべたままお礼を述べた。



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