GUN

「お~いラグストール!」


 リンさん、一応あの人も貴族なので、それなりの対応をしましょうね。


「あ、お前たちか・・・?」


 こちらを発見して、近づき店の中に入ってくる、ラグストール。


 堂々と、残り一つの椅子に腰掛ける。


 注文を取りに来た、ウェイトレスに飯はいらんと、はっきりと断りを入れた。


 迷惑な客だ。


「どうした?顔色が悪いぞ。」


 医療知識があるから分かったわけではなく、さすがに朝あって、昼間にコレだけ青ざめていれば、誰でも気付く。


「・・・・・・・あぁ、まあな。でも、お前たちに話して済む問題じゃないからな・・・。」



 口にしながら、ラグストールの顔はますます沈んでいく。


 だいたい、予想は付く。


 先ほど見かけた、孤児院の焼け跡。


 犯人はギル君だと聞いた。


 そして、ラグストールの沈んだ顔、考えるまでもなく、そういうコトだろう。


「ギル君のやったことは、間違っているとは、思ってない・・・。少なくとも俺はな。」


 だから、自分の意見を言ってやった。


「なんだ、知っていたのか?・・・ありがとよ。でも、お前が言ったところで、ギルのやつがどうなるわけじゃねぇんだよ。」


 分かってるさ・・・。


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