GUN

「まぁ、大丈夫だろう。」


 しかし、驚愕する二人の間に割ってリンがそんな言葉を口にする。


 は?


「子供が口を挟むところじゃないわよ。」


 ララが一応、注意をするが・・・。


「いや、リン、ギル君が大丈夫だと思う根拠はあるのか?」


 まさかだと思う。


 そこまでご都合主義は通じないだろう。


 だけど、もしもだ・・・。


 もしもの可能性は存在するのだ。


「いや、特にないが。」


「だと思ったわよ。子供の言い分に、なにグストまでマジで反応してるのよ。」


 あ~下らないと腰をつけるララ。


 しかし・・・。


「いや、大丈夫だというなら、大丈夫なのだろう。」


 命を代償にする賭け事ではない・・・。


 分かっている話だ。


 だが、言ってしまえば、そんな話を聞いたからといって、ギル君を自分たちが助ける道理はどこにもないのだ。


「あ~そうだよな!俺は今、お前たちをぶん殴ってやりたい。だけど、その行為に意味はない。お前たちに話せば、助けてくれると一抹の望みを思った、俺がバカだったんだ。」


 ラグストールは、怒りの表情を浮かべ、こちらを見る。


 しかし・・・。


「いや、ラグストール。結論を出すのは、早計だと言っておこう。賭けだ。俺の予想通りなら、ギル君は助かる。」


 この程度の困難を、勇者が乗り越えられないとは思えない。


 もし・・・ギル君が本当に、選ばれし者ならだ・・・。


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