GUN
「信用できるか!」
そりゃ、そうだろうな。
「ならば、俺たちに頼らず自分の力で何とかしてみるところから、考えてみろ。知恵は貸す。」
「アイスラの民はいつでもそうだ!動かず、高みの静観を決め込み、自ら一切動こうとしない!少ない労力で、高い利益を望む。だから、アイスラ民は見下される!衰退する!テメェらなんぞ、滅びてしまったほうが、この世界のためだ!」
その言葉は、しっかりと受け取っておこう。
反論の余地は一切ないのだからな。
「あなた、言うに事欠いて!」
「ララ、落ち着け!ラグストールの言っている事は間違ってない。」
水の民。
高い知力を持ち、それゆえに傲慢になりすぎた民族。
その民族、力を持たず、芸を持たず、業を持たず・・・。
「だからって!」
「ラグストール、ギル君は助かる。だが、それに対して、俺たちにできることは何もない。責めたくなる気持ちも分かるが、事実だ。ここはライスト国なんだ。分かってくれ。」
ララの言葉をさえぎり、グストは頭を下げた。
下手に動けば、こちらの身が危ないのだ。
言いたいことも分かる。
お前が、助けたいという気持ちも理解する。
力になれればとも思う。
だが・・・無理なものは、無理なんだ。
「・・・・そうだったな。俺のほうこそ悪かった。だが、ギルは助かるんだな?」
・・・・・・・・・・・。
「ああ。」
実際の確率をいうと五分五分と言ったところである。
しかし、親を前にしていうコトではないだろうと思い、黙ることにした。