水玉カチューシャ

俺が
9歳の時。


亜優も
同じ歳。




「貴くん!!
ごめん……!!!」


俺が大切にしていた時計を壊した。


「亜優!!
やって良い事と悪い事があるだろっ!!?」





小さな紐の無い
時計。


みゆから
貰った物だった。

9歳なら
小3なのに時計?
って思うけど……、大切にしていたんだ。





「ごめん。でも
これ、誰から
貰ったの?」



「俺の大切な
友達。」


小3の時、
俺とみゆは同じクラスで
亜優は違った。



「何時も一緒に居る、みゆちゃん?」

「…………。」



俯く俺に、
小さく笑う。


「あの子何て
ただの捨て子じゃん………。」




「……!!……」




捨て子……。


前に
本人から聞いた事があった。










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