キミと雨

見上げたその先で彼は相変わらず微笑みを浮かべていた。

ゆっくりと自分に向かって伸ばされた手を迷う瞳で見つめる。
逃げる、という考えはなぜが浮かばなかった。

そっと僕の頭に触れた手は、ワンピースの彼女より大きくて暖かい。

何度か感触を確かめるように頭を撫でるといきなり持ち上げられた身体。

汚れるにも関わらず、しっかりと抱きしめてくれたから抵抗する気にもならない。

「俺の家、おいで。」


……にゃぁ。

優しいその言葉に嬉しくなって、返事をするように僕は小さく鳴いてみた。

< 21 / 21 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

3を3かい、2を2かい。
紫帆/著

総文字数/2,970

恋愛(その他)16ページ

表紙を見る
哀恋 アイレン
紫帆/著

総文字数/2,969

恋愛(その他)16ページ

表紙を見る
桜ノ君
紫帆/著

総文字数/770

恋愛(その他)3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop