最初で最後の手紙
離婚

私は、聞いた。
お母さんに全部。

私が生まれる前のこと





それは15年前のこと。


「おやすみ。ママ」
「おやすみ。」


4歳の男の子木下奏(キノシタカナデ)。


奏は、もうすぐお兄ちゃんになる。
母は、妊娠八ヶ月。
お腹は、双子って事で普通より大きい。

一卵性の双子。



母は、奏を寝かしつけリビングに戻った。


それと同時に父が帰ってきた。


「あなた、お帰りなさい。」


無言のまま、
上着を脱いでお風呂へ向かう父。


最近の父は、このように素っ気ない。


母は、そんな父のご飯を用意する。

そしてテレビをつけ
父が戻るのを待った。


ピロピロリー♪


突然父の携帯が鳴った。
ふと携帯に視線を向ける母。


「見ちゃまずいわよね。仕事関係かもしれないし…
でも……」


欲に負け、、、
母は、携帯を開いていた。





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