最初で最後の手紙



「明音…」


お母さんがあたしを見つめる。

あたしは、奏の近くに寄る。



そして、
座り込んで、奏の手を握った。



「お兄ちゃん?明音だよ。お兄ちゃん。。。
お兄ちゃんの手、温かいね……。」


奏の…お兄ちゃんの手は、温かかった。


「昨日あんなに元気だったじゃん!!あたしをおぶってくれたじゃない!!」


あたしは、お兄ちゃんの手を力強く握った。


「死なないで……ょ…」







.
.
< 110 / 134 >

この作品をシェア

pagetop