最初で最後の手紙




そんなあたしの横へ初音が並ぶ。


「初めて、二人揃った誕生日だね。」


初音は、小さく呟いた。

あたしは、小さく頷いた。


「明音…。」

「ん?」


名前を呼ばれて初音の方を向いた時…


ギュッ


初音に抱きしめられた。


「私…まだお兄ちゃん居ないなんて思えないよ…」


涙声で言う初音。
あたしは、そんな初音を抱きしめ返した。


「うん…」

「お兄ちゃん…まだ居る気がするの……」








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