最初で最後の手紙
[受信
沙織ちゃん
今日は、ありがとうございました
すごく楽しかったです
私、、、
正治さんが好きです
また明日会社で
沙織より]
「何このメール!!」
母は、大声を出していた。
すると父がお風呂から出て来た。
「っ!見たか?」
母は、驚きを隠しきれない。
そして、静かに頷く。
「すまん」
「……」
「すまん」
「…離婚……しましょ」
母の決断は、強かった。
こうして
父の浮気がきっかけで、
両親は離婚。
父は、過去に何度か同じ事をしていた。
まだ幼い奏に母は、言った。
「奏、苗字変わるね。ママバカだよ。ごめんね…」
母は、
奏に何回も謝った。
父は、家を出て行った。
母は、赤ちゃんが生まれるまでの間母の母、
つまり奏のおばあちゃんにフォローされながら暮らしていた。
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