最初で最後の手紙





〜二ヶ月後〜


蝉が鳴く季節。


母に陣痛が来た。


「う゛っ」


辛そうな母は、
奏とおばあちゃんを残し、担当医につれてかれた。



おばあちゃんと奏は、長い間待った。
しばらくすると、、、


「オギャーオギャー」


病院中に響き渡る元気な泣き声。


8月11日。。。


女の子が生まれた。


母達は、生まれて来るまで性別は、聞いていなかった。

始めて知る性別。




数分後


「オギャーオギャー」


二人目も元気良く生まれた。


二人とも女の子。

過去を知らない子。
父親がいない子。


「ごめんね…」


母が二人に始めて言った言葉だった。






「奏は、お兄ちゃんだよー」


母は、微笑んだ。


「僕!お兄ちゃん!!」

「そうよ。名前どうしよっか?」

「お名前?」

「うん。奏は、ママがつけたの♪」

「そーなんだ」

「奏が生まれた時、音楽が聞こえたの。それをきっかけに『奏』ってつけたの」
「ふーん。じゃ、この赤ちゃんも音楽つけよーよ」





奏の提案に賛成した母は、二人に名前をつけた。


お姉ちゃん。。。

初音。
有坂 初音(アリサカハツネ)




妹。。。

明音。
有坂 明音(アリサカアカネ)







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