最初で最後の手紙
「えっー」
『しょーがねーだろっ』
「わかった…」
『じゃーな』
ツーツー
楓が携帯を閉じる。
「ショウイチ来ないって…」
「そっかぁ」
「レオも…」
楓の友達が来ない。
「その二人居なきゃつまんねーよ」
「だよな」
「じゃ、今日帰る?」
「うん。って、えっ!?
いつも帰るの嫌がる明音が『帰る?』だって!!」
「何か変なもん拾って食ったか?」
「……だって…」
寒いし…。
お父さん嫌だけど…
「しょうがねー。帰るか!明音様が言ってますしぃ♪」
カイがいぢわるそうに言う。
あたしの言葉で
皆解散した。
あたしは、一人歩いてた。
やっぱり帰るだなんて言わなきゃよかった…
あんな家に帰りたくないのに………
後悔が押し寄せてくる。
ぎゃー!ぎゃー!!
ザワザワ
「何の騒ぎ!?」
近所の人が集まってた。
「こんな時間に…」
皆の視線は……
あたしの家。
「何なの!?」
恐る恐る近寄る。
ゴホッゴホッ
咳込む人が多い。
「…っ!!!」
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