秘密の生徒会室

追いかけて、やっと地面に落ちた紙を拾ったのは私ではなく男の人だった。

さらっさらの髪に、整った顔立ち。…何、この美形男子!

「…君の?」

しばらく無言が続いた後、私を見て彼がそう言った。

なんだか雰囲気が美形だけどちょっと怖い感じ。

「はい、ありがとうございま…」

はっ.私迷子だったんだ。
聞くのは一時の恥って言うし、うん。

聞いちゃえー!

「あ、あの、会場はどちらですか?」

「………目の前。」

彼の指す指の先には、『入学式会場』と書かれた看板…が私の半径3メートル内に。

気付け自分っ。

「…あ、そうでましタか…!!」


噛んでしまった。


恐る恐る男の人の顔を見上げると


むっちゃ笑うとるやん!


一時の、ううん。…一生の恥じだぁ〜!!

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