Fate word
Courage
体育祭は、それから何もなく。あとは楽しく終われた。学年での勝負は、私たちのクラスB組が優勝した。意紅琉先輩や山岸先輩達のクラスも優勝して、ワイワイ言って、打ち上げをすることになった。メンバーは、最近おなじみになった4人。私と由美子と意紅琉先輩に山岸先輩。
「はぁ…なんか今日は疲れた」
独り言を呟くと、自分の部屋のソファに埋まった。
ふと目を閉じてみる。
今日こうやってゆっくり目を閉じたのは何回目だろう。
何回閉じても浮かんでくるのは、意紅琉先輩なんだけど、あの事があってからは違った。
今浮かんできたのは、女の子の先輩3人が私を睨んでいる場面。
ワッて思って、すぐ目を開けるとそこには部屋の天井。
普通、いつもと同じだけど、何故かむなしさが残った。
目を閉じて会えるのは、意紅琉先輩じゃなくて、あの先輩たち3人。
はぁ…、とため息をつくと私は机に向かった。
特に何もする事もなく、机にぽつんと飾ってある、いつかのカラオケの時の写真を眺めた。
「意紅琉先輩…」
そう呟いた時、私の携帯がスクールバッグの中でバイブを聞かせていた。
サブ画面を見ると、【由美子】と表示されていた。
「、もしもし?」
{あ、癒衣里ぃー?今平気?}
「うん、大丈夫だけど」
{もう夕食食べた?}
「えっと、うん食べたよ」
{じゃーさ、今から会える?}
「え、今から?」
{そう…ダメかなー?}
「全然大丈夫」
{ありがと、じゃ、いつもの公園で待ってるね}
「わかった、」
電源ボタンを押すと、私はすぐに上着を着て、1階におりた。
1階に行くと、洗濯物を運んでいるお母さんとバッタリ会った。
「あら、何処か行くの?」
「今から由美子と会うの」
「本当仲がいいのね、気を付けて」
「うん、いってきまーす」
私はお母さんに見送られて、家を後にした。