昼間の月


「さちっ!」

ころん、と芝生の上で寝転がってたら、健司の声。

「んー?」

目を開けてみると、目の前が暗かった。何だろうと思ったら、健司の顔が目の前。
あたしの顔を上から覗いてたんだ。

「うわあっと!」

びっくりしたー、とあたしは勢い良く起き上がる。

「あはは!!やっぱさちっておもしれぇ!」
もう。健司ったら失礼じゃない?やっぱ、だなんて。

ま、笑われるのはいつものことなんだけどね。

「で?なーに、健司」
あたしは上半身を起こしつつ、健司にそう問い掛ける。
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