主従関係。
ラブエッグ
朝食を食べ終わり、専属メイドとして、一緒に登校する。
磨きあげられ、曇り一つ無い真っ白いベンツ。
御主人様はというと、
さぞかし高級であろう、シャンパンやワインを、ジュースと称して朝っぱらから堪能している。(良いのか…)
到着すると、何時もの赤絨毯がしかれ、何時もの恋する乙女達が声を響かせる。
車から一歩降りると、いつも遠くから眺めていた、あのセンパイに変わる。
全く、あそこに群がっている女子達に、事実を突き付けてあげたいものだ。
家では王様の様な顔をして、踏ん反り返っていることを。
優しさのかけらも無い奴だということを。
…さて、流石に一緒には降りられないので、私は人影少ない裏口からこっそり入ることになった。
『いってらっしゃいませ、花梨様。』
『花梨で良いですよ。』
メイドとしては矢竹さんは先輩。
あの悪魔の様なセンパイと比べると、全っ然優しいし。』
『か、花梨…いってらっしゃい。』
照れながら口をもごもごする様は、年上ながら可愛く思えてくる。
『クス…行ってきます。』