青春の蒼いカケラ
「井上君は入学試験で9番目に入ってきたんだぞ」
「そうですか」
「もうちょっとは自覚しなさい」
 なおとは一年D組だった。席は窓際の後ろだった。隣には、はるおちゃんが居た。柔道部らしかった。頭も良かった。はるおちゃんが言った
「三年生に呼び出されたんだって」
「まあ」
「どうだった」
「たいしたことないよ」なおとはあざだらけの顔で言った
 はるおちゃんがいった
「柔道部へこないか」
「少林寺拳法やってるんだ」
「そうか、でも、つっぱあてるな」
 席も隣同士という事もあり意気投合した。
「一年を締めないか?」
「どうすりゃいいんだ?」
「目のつけたのを呼び出してくりゃいいよ」
 淑徳高等学校は大体3っつの中学校から集まってる。目に付いたのが3人ぐらいいるらしいので、やっちまおうということだ。翌日から始まった。まずなおとが呼び出しに行って。はるおちゃんが、トイレでまっていた。何にも言わずにぶん殴る。といった具合にあっという間に片付いた。一年は締めてしまった。なおとは三年生のまねをして上履きをスリッパみたくちょん切って歩いていた。一年生からも重要な存在にみられていた。はるおちゃんと遊ぶようになってマージャン、パチンコ、酒、タバコと、不良の道をましぐらだった。

最初のテストが始まった。なおとは授業だけは、まじめにきいて、ろくすっぽ勉強しなかった。テストの結果は全生徒で、はるおちゃん一番、なおとは五番だった。なんだ、こんなものかと、内心では嬉しかった。夏休みが入る前に、はるおちゃんは、校長室にある灰皿をかっぱらってきた。なおとも真似して会議室の灰皿をかっぱらってきた。淑徳高等学校と白い灰皿に赤く書いてあり立派なものだった。大事に引き出しの中にしまっておいた。

夏休みはほとんどマージャンだった。その頃音楽に目覚めギターを弾いていた。二年生になり、なおとの家は旅館に建て直すことになったそのため両親も帰郷してた。まずは借家を借りた。1階に三部屋 風呂付だった。二階も三部屋だが、借家の、嫁さんに行ったが、たまに帰ってくるというので、あがってはいけない事になってた。


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