青春の蒼いカケラ
退院喜怒哀楽編
退院してからの生活は落ち着いていた。入院生活での貯金と福祉からの手当てで生活必需品はそろった。アパートの保証人は、はるおちゃんがなってくれた。自炊をしてた。石神井公園は物価が安かった。何とか家賃五万三千円のほか十万円で生活してた。ある日、公園のベンチに座ってたら、女性の人から声を掛けられた。
「もしかしてなおとさん」よく見るとのりちゃんであった
「おお、のりちゃん」
「どうなさっていたのですか」
丁重語だった。無理もない久ぶりの再開だった。もう、素晴らしく綺麗なお嬢さんになっていた。一個下だから二十二歳ていうところだ。
「まあ、色々あって」
「私は結婚したけれど、別れました。子供はいません。」
いつのまにか、のりちゃんは隣へ座っていた。
「今何処に住んでいるんだ」
「この近くです」
「そうか、俺もだ」
2人は苦笑いしてた。
「俺のアパートは石神井警察署の目の前なんだ」
「あら、近いのね私もよ」
なんだか公園で話しているうちに2人とも溶け込んでいた。のりこは用事があるというので電話番号を交換して別れた。

なおとは福祉に内緒でスクーターを買った。ある日病院へ行くと。びとうさんがいた。五人集まっていた。びとうさんは。
「なおと、バイクで病院の外来から入って。診察室を抜けて、グランドを回ってくると何分かかる?」
「七分ぐらいでしょう」
「やってくれないか、礼金出すから。」
「わかりました」
びとうさんは、やくざだった。びとうさんが皆を集めた。何やら説明して。皆一万円をだしあった。どうやら、なおとが何分で帰って来るか、賭けたのだ。三十分分とか帰ってこないなど。色々出たらしい。なおとは全速力で病院の外来から入り診察室を抜けて渡り廊下を通りグランドを抜けてかえってきた。
「よくやった」
びとうさんが言った。一万円くれた。残りの四万円はびとうさんのものだった。なにやら看護士が出てきたので、急いで逃げた。

 
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