青春の蒼いカケラ
一レースは、千円の五点買いで行くそうだ。なおとは不安だが、もうどうでもいいと思てってきた。それより腹が減ってきた。はるおちゃんは、もう1レースから五十万円を、取る気でいるらしい。 
「飯でも食うか」
後楽園へ向けて歩き出した。どこもかしくも、レストランだらけだった。はるおちゃんは、安く上げるために、ラーメン屋を探しているらしい。 
「あった、あった、ここだ」
三吉と言うラーメン屋だった。美味しかったし、腹も膨れた。馬券の売り場を探しに行ったら、すぐ分かった。競馬専門誌も売っていた。なおとは、五百円だして、専門誌を買った。マークシートも何枚か見てみた。専門誌の ○ と ▲ を百円の一点買いにしてみた。機械に百円入れて印を付けた。マークシートを入れた。馬券が出てきた。なおとは初めて買った、1―6 だった。はるおちゃんは、人気オッズを見ながら。 
「よしよし」と言っていた。
一レースが始まった。周りの人は騒いでた。どうやら、はるおちゃんは、外れたらしい。
「なおちゃん、券見せてみな」
「お・・枠連じゃなくて、馬連じゃないか。こりゃ、点くぞ」
○ 印から、◎の隣の無印の馬を買っていた。五千百円の配当が点いた。
「よし、よし、これも運だ。」
「幾らになるの」
「五千百円だ」
なおとは、驚いた。百円が五千百円なるとは思わなかった。これで、なおとも、味をしめてしまった。百円が五千百円なら、千円だと五万一千円になる。
「こりゃいいや」
なおとは、なけなしの百円が五千百円に、なった事が、嬉しくてしょうがなかった。座るところが、なかったので,階段の所に座った。そこで、競馬専門誌の見方を、はるおちゃんが、教えてくれた。はるおちゃんは、五レースまでもったが、五レース目ですてんてんになってしまった。
「だめだな~」
なおとは、相変わらず、百円でかっていたので、当たりもあって、三千円ぐらいしかなかった。
「今日は切り上げるか」
 はるおちゃんが言った.日も暮れてきた所だった。
「くそ~五十万か」
 はるおちゃんは、逆上していた。
「明日またいこうよ」
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