青春の蒼いカケラ
「ああそうする」
途中で、パーキングエリアへよった。なおとは糖尿病の気が有るので。お茶を3本買ってきた。のどが乾くのだ。トイレにもよった。現場まではあと1時間ぐらいらしい。
「もう、なおちゃんは、はでなことやってくれるな」
 昔の話に戻った。
「いや~ぁやるせなくてね」
「ひろこの、墓参りいったか?墓もわかんねえだろう」
「ああ」
「これからどうする」
「なんとか、細々とやっていくよ」
 現場に着いた。意外と大きかった。今は建設会社もやってるらしい。プレハブの事務所にあがっていった。
「おはよう御座います社長」
 はるおちゃんは、そうよばれた。
「専務の井上だ」
いきなり、専務にされてしまった。どうなっているんだろうと、なおとは、頭をひねった。設計も建築もはるおちゃんの会社がやってるらしい。はるおちゃんが所長と話してる間は、缶コーヒーを飲んでた。タバコも吸った。一時間ぐらいたって、はるおちゃんが戻ってきた。
「さあいくか」
車に乗った
「温泉でも行くか」いきなり言い出した。
「ゴルフはどうだ」
 またいいだした。
「そんな気分じゃないんだ」なおとが言った。
「気晴らしにもなったし帰ろう」
「そうか」
 帰り道なおとは黙って外の景色を見ていた。はるおちゃんの会社には戻れそうもなかった。東京に着いたのはもう夜だった。なおとを置いて帰ってしまった。

< 46 / 65 >

この作品をシェア

pagetop