青春の蒼いカケラ
蒼き旅立ち編
デーゼル電車の二両つなぎの中で、鯵ヶ沢（あじがさわ）に向けて風景を楽しんでいた。その列車から見る景色は、雪が降り積もって何処までも白かった。なつかしさがこみあげてきた。そしてお爺さんが駅でまっていた。お爺さんは白髪頭で、背も高かった。
「ようなおと、久しぶりじゃな。元気でおったか？」
「やあ、お爺さん会いたかったです」
雪の中温かい日差しが、二人のうえにふりそそいでいた。おばあさんは、ふとっていた背は小さく白い前掛けをしていた。七輪を使って、はたはたと言う魚の味噌田楽刺しを作っていた。
「なおと、よぐきたな、元気にしてらか？」
「はい元気です」
「なによりじゃ」
三００坪の土地に，銭湯はおばあさんがボイラーと番台をしていた。風呂は地下水を汲み上げて、重油を燃やして、お湯を作っていた。おばあちゃんが,昼食の支度をしていた。
「なおとじゃっぱ汁も有るからな」
　おばあちゃんの手料理は、美味しかった二階には、八畳間の部屋が三つあった。その中の窓があり明るい部屋を選んだ。倉庫から、父が使っていたステレオを出してきた。スピーカーは父が作ったものだった。ストーブとコタツはおばあちゃんが用意してくれた。布団はおばあちゃんがいつも敷いてくれた。もうすぐ冬休みが終わろうとしていた。
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表紙・目次

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