青春の蒼いカケラ
「まず、左の軸足を斜めに置いて、右足でけった同時に軸足を直角にする」
そんな簡単な練習からはじめた。でも、なおとは満足だった。その次に習ったのは。手首を捕まれた時のぬきかたである。
「手首をはずすには、手を広げ相手の親指のほうにまわしていく」
簡単に抜けた。凄い・これは、竜虎拳第一で使う技だ。

中学二年で音楽に目覚めた、小遣いには不中してなかった。おばあちゃんから一万円。おじいちゃんから一万円、もっらってた。CDラジカセも買った。ステレオは父のお下がりだった。おじいちゃんとおばあちゃんの小遣いで。じゅうぶんやっていけた。CDも、沢山買った。レッドツエぇぺエリンに凝ってた。ギターも買った。レスポールジュニアだ。アンプもかった。

そんな日々が過ぎ去っていった。前蹴りも覚え。抜き手も覚え。裏拳も覚え。型も覚え、膝蹴りも覚え。なんだか、怖い物知らずになっていった。だが、喧嘩はご法度だった。技をおぼえるため中田とはしょっちゅう話をしてた。技の組方なども軽くしてた。少林寺拳法の三級も合格した。

三年生のとき鯵ヶ沢のかく分校が集まり池尻第一中学校となった。三年生に進学し放送部に入った、昼の時間好きな音楽を校内にながせたのだ。毎日が楽しかった。色んな音楽を掛けて、おもに洋楽のポップスだった。学校の建物は鉄筋コンクリートで出来てていて,立派なものだった。なおとは三年四組だった。

野太いのが何人かいた。席は窓儀の真ん中だった。後ろは野太いみちざねがいた。なおとはおとなしくしてた。机の足の先に毛糸で出来た袋が付いていてあった。
「だれだろう?」
また机の中には無名のラヴレターとにおい袋があった。なおとは不思議だった。なおとのかっこは、仕立てた半長蘭だった。中には龍と虎の刺しゅうがして有った。
「なおとのかっこいいな」みちざねがいった
「まあ、みちざねのぼボンタンも似合ってますよ」なおとが言った。
「クラブはどこにするんだい」
「かんがえていませんよ」
「野球部に入らないか」
「いやぁやめときますよ、音楽部しようかな?」
「そうか」
話しぶりから言ったらみちざねは番長各だな。前の同級生の中田も、番長各だった
みちざねは。案の定二~三人ぶっとばしていたらしい。なおとはみとざねを敬遠してた。

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