【片想いの体温】
今朝、学校に行くと柏田君が先に来ていて、
着席した私に話しかけてきた。

「ライブどうだった? メールもシカトされたし。」

――あっ。

携帯バックから出してないし。


「うん。ライブはすごく盛り上がって。

 メールごめん。見てないや。」



冗談にげんこつで私の頭に触るように落とす。

そして、優しく笑う。

柏田君はバレー部のエースアタッカーで、
ファンの女子生徒も多い。

二重の切れ長の目なのに、
笑うと人なつこく目がなくなっちゃう。





――ルミちゃんが教室に入って来た。

私を見つけると


「―― おはよう。

昨日はどうも。」


と同時に始業のベルがなった。




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