【片想いの体温】
「え~~~っ?!

 嘘ぉっ??」



昼休み、その話が聞きたくてルミちゃんと
教室の隅の机に2人でお弁当を広げる。

「ちょっと、声大きいよ! 

 ・・・当たり前じゃない。よく冷静に考えてよ。
 高校教師が生徒に手を出すと思う? 

 まっ、そういうエロ教師もいるって聞くけどさ。

 手代木先生には普通に送ってもらっただけ。
 第一先生、自転車通勤じゃない。」


「えっ?手代木先生がどうしたの??」



“手代木先生”の名前に、女子生徒は地獄耳だ。

「ルミっ、何かあったの? まさか告られた?」

女子生徒はちょっとした冗談だけで充分盛り上がれる。
 
何人かが机と椅子を持って私とルミちゃんのグループになり、
再び昼食会議が始まる。




「――でも夏恋、さっき先生に呼ばれてなかった?」

「え~っ、何話してたの?? 夏恋は柏田でも充分過ぎるよ。」

「手代木は絶対、夏恋よりルミの方がタイプだよ。」

「ところで、柏田君と付き合って何ヶ月?」

「4組の望月君て彼女いるの?」


・・・もう先生の話はどこへやら。

毎日のように昼食会議は昼休み時間ぎりぎりまで続く・・・。

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