【片想いの体温】
・・・ところが、入学して先生の心配は的中した。

授業のスピードが速くてついていけない・・・。



ノートを取るだけでものんびり屋の私には大変な事になった。


“物理28点――。 

 期末テストで挽回するなんて絶対無理。

 一学期の赤点は確定だぁ・・・。”


他の教科のテストの点数も、鮮明に思い出せるくらいひどい。

今にも泣き出したい気持ちを抑えつつ、
先生からの回答と解説を必死になって答案用紙に書き込む。


終業のベルが鳴った。








放課後、帰宅用意をする私に、後ろの席のルミちゃんが声を掛けてきた。


「あのさ・・・
 余計なお世話かもしれないんだけどさ。

 夏恋のテスト見えちゃったんだけど
 ・・・大丈夫?」


“―― 恥ずかしすぎて顔から火が出そう!”


私は立ち上がった席に腰を落とすと、涙があふれ出た。



「ルミちゃん、

私・・・どうしよう。」



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