【片想いの体温】
「ルミちゃん、私 どうしよう・・・。」

どうしようって言われても・・・。



物理以外のテストの点数を聞いて、私も倒れそうになった。

「だって、店手伝ってたら、勉強する時間無いもん。
 自分でもあきれて涙が出る・・・。」


私は言い訳は嫌い。

・・でも、泣いている夏恋の事は助けてあげたい。


「言い訳したって始まらないよ。ベストの方法を考えよう。」

「ルミちゃん、テスト何点だったの。」

「物理は難しかったね。84点。 
 他は90点以上。 英語は100点。」


「・・・ルミちゃん、勉強教えて! 

 私・・、このままじゃ期末テストで赤点取って、
 1年生留年になって、自主退学しなきゃならないよ!」

私も夏恋の勉強見てやりたいけど・・・時間的に無理。


“夜、夏恋の店の手伝いが終わって、22時頃から
 勉強を見てあげられる人・・・?”


―― 夏恋、とにかく私は無理。





「――どうしたの? 

 ちょっと忘れ物取りに来たんだけど・・・。」


声がして振り返った。


柏田君がバレーボール部のTシャツを着て立っていた。

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