善と悪の狭間で・・・
「ハァ………助かった…………」
粒子状の砂の上に寝転ぶ金髪の少年。
疲れたように息を吐き、眩い太陽を見上げる。
その近くでは、崩れ行く巨大な塔を見つめるブラウンとグレーの髪をした2人の少年が立っていた。
地を揺らし物凄い音を立て崩れ去った塔は、地に還るかのように粉々に粉砕すると姿を消した。
この地に何も無くなり、辺りに見えるのはどこまでも続く肌色の地のみ。
その中、3人の美少年から離れた所にプラチナブロンドの髪をした少女が空を見上げて立っていた。
長い髪を風に靡かせる彼女を見た金髪の少年は立ち上がると、彼女に歩み寄り自分が羽織っていた上着を肩に掛ける。
突然の事にビクッと身を震わせる少女だったが、振り返ると少年に頭を下げた。
そんな2人にグレーとブラウンの髪をした少年も歩み寄る。
「ジゼル・ブライアンと申します。よろしくお願いします。」
3人の少年の顔をしっかりと見て、にっこりと笑うと礼儀正しく頭を下げた。
少年達も頭を下げると、グレーの髪をした少年が口を開く。
「ヴェルディ・リズライドだ。よろしく。」
それだけ言うと、隣の2人の少年へと目をやった。
「弟のコウガとリョーガ。」
「コウでいいよ。で、ヴェルディはヴェルで、こっちがリョーちゃんね。」
「は?何勝手に言ってんだよ!?」
紹介されたブラウンの髪をした少年、コウガは優しい笑みを見せ、金髪の少年リョーガはコウガを睨みつけるのだった。
「よろしくお願いします。ヴェルさん、コウさん、リョーちゃんさん。」
ジゼルは口元に手を添えクスクス笑いながらそう言うのだった。